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    日本では、お店で買える発酵乳はすべてヨーグルト、発酵させて売っているケフィアはほとんどお店では見かけません。しかし、ヨーロッパやアメリカではお店でケフィアを買うことができます。それはヨーロッパと日本では発酵乳に関する法律に違いがあるためです。日本ではお店でケフィアを買えない事情を説明します。1981年当時、ドリンクヨーグルトの開発で大ヒットを飛ばしたのち、次の開発ターゲットを求めて、ヨーロッパの発酵乳市場を視察しました。

    そこには、ケフィアがヨーグルトと並んで大きなスペースを占めて、数多く店頭に並んでいました。 日本の法律日本では、ケフィアやヨーグルトなどの発酵乳は、食品衛生法によって次のように定義されています。「この省令によって、発酵乳とは、乳またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌または酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもの、またはこれらを凍結したものをいう。」
    法律の文章は難解ですが、要するに牛乳を乳酸菌で発酵させても酵母で発酵させても発酵乳というとしているわけです。それにもかかわらず、日本ではこれまで酵母で発酵させた発酵乳は全く見かけなかったのは何故でしょうか?

    その理由は食品衛生法の規定にあります。乳および乳製品の成分規格等に関する省令には、さらに乳等の成分規格並びに製造、調理および保存の方法の基準が、次のように定められています。

    発酵乳の成分規格
    無脂乳固形分                8.0%以上
    乳酸菌数または酵母数(1mlあたり)   10,000,000以上
    大腸菌                      陰性
    つまり、食品衛生法によりますと、発酵乳には1mlあたり10,000,000以上の乳酸菌や酵母が生きていなければいけないことになります。
    乳および乳製品の成分規格等に関する省令には、さらに乳等の器具もしくは容器包装またはこれらの原材料の規格および製造方法の基準が定められており、販売に供する発酵乳に用いる容器は密封できるものでなければならないと定められています。すなわち「牛乳を酵母と乳酸菌で発酵した発酵乳すなわちケフィアは、1mlあたり10,000,000以上の生きた酵母と乳酸菌が含まれていなければならず、しかも販売するためには密封した容器に充填しなければいけない
    ことになっています。しかし、乳酸菌はともかく、酵母が生きていると包装容器の中で炭酸ガスを生じ、容器が膨れて店頭で破裂する場合も考えられます。食品衛生法でケフィアの定義がなされているにもかかわらず、実際にケフィアが製品として店頭に並んでいないのはこのためです。ヨーロッパでケフィアが店頭に並んでいるのは、日本と違って容器にピンホールを開けることが許されているためです。ピンホールを開けておけば、酵母の発酵によって生ずる炭酸ガスを逃がすことができます。 ヨーロッパの発酵乳市場を視察した多くの企業がケフィアを発売しましたが、器にピンホールを開けることを法律によって規制されている日本では、ケフィアを店頭に並べることはできませんでした。
    家庭で自家消費するケフィアは、販売するのではありませんから、法律の規制を受けません。したがって、本場コーカサスと同じに酵母の生きている本物のケフィアは、日本では家庭でつくるしかありません。

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